■開催日

平成27年12月23日@秋葉原UDX

 

■動画

 

■講師

日本大学 生物資源科学部 森林資源科学科 森林動物学教室

中島啓裕先生

 

■概要

中島先生からは、アフリカゾウの種類や生態、森林保全との関係について学びました。マルミミゾウにとっても森は大切ですが、森にとってもゾウの存在はとても大切です。しかし近年、密猟者が増え、ゾウが激減し、森の維持にも影響を与えています。

こども達は、密猟者の事情(密猟を余儀なくされている)や、日本の伝統芸能の一つである三味線のバチにマルミミゾウの象牙が使われていることなども学び、身近な問題としてアフリカのゾウや森林のことを学びました。

 

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アフリカの熱帯雨林に住むマルミミゾウ。サバンナゾウよりも一回り小さなゾウです。木に機械を取り付け観察をしますが、とても敏感で、壊されてしまったりします。取り付けるときに、人間のにおいをかぎ分けているのです。近年はゾウの密猟が増え、ゾウは人間を恐れるようになっています。

 

 

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アフリカの森林はとても豊かで、たくさんの動物、植物が生息しています。ゾウにとっても、とても住みやすい場所です。

森にとってもゾウの存在は大切で、地面を踏みならしたり、マルミミゾウしか食べることのできない果実を食べるので、フンが新たな植物の繁殖を助け、森の維持を助けています。

 

 

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近年、象牙(ぞうげ)を目的に密猟者が増え、マルミミゾウの数が激減しており、それに伴って森も減少しています。

 

 

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今は、答えがありません。未来を担うこどもたちに、答えを託したいと思います。

 

 

■事務局から

2015年冬のプログラム(4回シリーズ)のテーマは、「地球とわたしたち」。子供たちにとっては、アフリカは未知の世界であったようです。ワクワクしながら、豊かなアフリカの森に生息する動植物を学びました。

 

今回は、開発教育について子供たちにトライをしてもらいました。森林伐採という商業的な利益が、ゾウを減少させ、森を縮小させ、地球環境の破壊を招いています。一方で、密猟者の多くが森林伐採業者に雇われた現地住人で、森林伐採が終わると収入源がなくなります。家族を守るためにも象牙の販売は大きな収入源となるのです。

 

我々日本人も、決して遠くの国の話ではありません。印章や三味線のバチなどで象牙を多く輸入しているのは、日本だからです。

 

地球上に住むということは、人間ばかりが得をすればよいというものではありません。また、環境破壊や貧困問題、紛争問題など、日本人としてもどうすべきかを考えることがたくさんあります。

 

このような問題を自分の問題としてとらえ、解決へ向けて行動を起こせる人材を育てていく必要性を感じています。今回の講座では、発表の時間はありませんでしたが、こどもたちは素晴らしいアイデアをたくさんだしてくれました。バチの素材を技術力によってカバーする、ゾウを殺さないで象牙だけをとる、など。また、密猟はいけないことだけど、密猟者の家族を守るため(生きていくため)には味方をしてあげたい、というお子さんもたくさんいました。

 

保護者の皆さまからは、低学年には難しいテーマだったというご意見を賜りました。次回からは、小学校3年生以上にしようと思います。

 

プログラムとして、さらに充実させていきたいと考えています。