■開催日
平成27年3月26日@秋葉原UDX
■動画
■講師
東京農業大学農学部バイオセラピー学科 動物介在療法学研究室 准教授 川嶋 舟先生
博士(獣医学)、獣医師
■概要
川嶋先生は、アニマルセラピーのご研究をされています。社会とかかわることに自信のない人や、障がいなどのために社会参加に困難をかかえる人たちに対して、動物と関わることで自信をもち、社会とのかかわりをもてるようにすることを研究しています。
(詳細はこちらから)
大切なことは、自分を知り、相手を知り、他を受け入れることができるような寛容な社会を作ることだそうです。こども大学の講座では、スライドを使ってご研究の説明をしていただいてから、親と子がそれぞれ分かれて、自分のこと、相手(親のこと、こどものこと)のことを考えるワークショップを行いました。
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アニマルセラピーには、動物介在活動と動物介在療法の2種類があります。
動物とかかわることによって、社会で生きづらい人たちの生活の質(QOL)を高めていくのが、動物介在活動です。たとえば自分一人でトイレに行ったり、着替えをできるようになったり・・・。体がうまく動かない障がいを持つ人たちにとっては、こういう事が難しい場合があります。
社会で生きづらさを感じているのは障がいを持つ方ばかりでなく、高齢者や病気を持つ方、登校拒否、ひきこもり、ニート、うつの方たちなどもいらっしゃいます。
動物介在療法というのは、動物とかかわる活動をお医者さんとともに医療行為として行うことです。
アニマルセラピーで最終的に目指しているのは、社会で生きづらい人たちが本人の形にあった社会参加をできるようにしてあげることだと考えています。
社会参加をするにあたって大切なことは、他の人を理解することです。一人で生きているわけではないので。そして、その人のことを受け入れることが大切です。
では、他の人を理解するために必要なことはなんでしょうか?それは、自分のことを理解することです。自分のできることがわかるから、人のことも分かるのです。
寝たきりでしかご飯を食べられない人もいます。それがどのくらい大変なことか、是非一度、寝ながら食べてみるという体験をしてみてください。
アニマルセラピーでは、馬を使って3つのことができます。馬に乗った時に体を上手く使えるようにしていくこと、心が満足したりいやされること、約束を守るなどの社会性を身に着けること。これらを組み合わせてプログラムを作り、その人の「自信」を引き出していきます。
では今から、お母さんもこどもたちも「自分はこんなことをしっています」、「こんなことができます」ということを書いてみましょう。自分のことを知ることはとても大切なことです。
では今度は、「お母さんはこんな人。こんな素敵なところがある」「こどもはこんな子。こんな素敵なところがある」というのを、それぞれ書いてみましょう。
(それぞれが書いた自分のこと、相手(親子)のことを、先生が発表してくださいました。)
こんなことをかいてくれたお母さんがいます。「うちの子は・・・・、こんな素敵なところがあります!!」
(どきどき!!誰のお母さんの言葉なんでしょう??)
(最後に、先生からお母さまがたへ)
今日のワークショップでお母さまがたにお伝えしたいのは、是非お子さんのことを客観的に見る、距離感を持っていただきたいということです。距離が近すぎてしまうと、お子さんの成長を感じとることができなくなってしまう事があります。
それから、もう一つ。待ってあげてください。お子さんがいう事を聞かなくても、しかってばかりいるのではなく、何回も言ってあげるくらいの余裕をもって、お子さんと接してあげてください。
■アンケート結果
<将来の夢>
科学者
小説家
バスケット選手/アスリート選手
ロボットを作る人
決まっていない
<新しい発見>
ママが私のことをこう見ているんだという事がわかった
お母さんの知らなかったことがわかった
お母さんが僕のことを「優しい」と思っていること
<お母さまの感想>
・こどものためのワークショップだと思っていたが、親も参加することで、子供への向き合い方を教えていただいた。
・「こどもを客観的に見て、待つ」ことの大切さ。
・他のお母さま方やお子さんたちの様子もわかり、自分も楽しくやっていこうと思えた
・内容が少し難しいようだったが、動物の不思議な力や人間を見つめるという点が面白かったようだった。
・上の学年のお子さんを見れて、よかった。
・自分のことをあまり考えたことがなかった。
・いろいろ考えるきっかけになった。
・「客観的に見る」ことをやっていきたいと思う。
<どのようなお子さんになってほしいですか?>
・心身共に「タフ」な人間に!
・明るく、人を傷つけない人になってほしい
・人に流されず、自分の思う道を進んでほしい
・自分の生き方をしっかり持ち、他人の生き方も認められる人
・まっすぐ、素直に育ってほしい。幸せになってほしい
・自己肯定感の高い子。人とのコミュニケーションが好きな子
・自分の興味をもったことを伸ばしていってほしい
■事務局から
春休み中の開催でしたが、平日だったせいか、当日キャンセルの多い回となりました。遠くからご参加いただく方も多いので、なるべく土日、祭日に開催できるようにしていきたいと思います。
今回は、親子で参加していただきました。自分自信のこと、身近な家族のことをよく知っているようでも、実は相手が自分のことや相手のことをどのように考えているかを知る機会は多くありません。今回のワークショップを通じて、親子という身近な存在であっても知らないことは多く、思いが一方通行ですれ違ってしまうことも多いのかもしれないと感じました。
先生のところに、お子さんのことで悩むご両親からご相談をいただく事があるそうです。先生からお母さま方へ語られたことががとても印象的でした。
こどものことを、客観的に見てください。
そして何事も急がず、待ってあげてください。
どうしても近視眼的に判断してしまいがちですが、ちょっとひいて余裕を持って接してあげることで、親子関係もますますうまくいくようになるのかもしれないということでした。
こども大学では、今後も自分のことを見つめる、その先に自分の可能性を感じられるようなワークショップを作っていきたいと思います。